【インタビュー企画第3弾!!Vol.1】
日本製クライムノワールの大傑作として海外映画祭にも多く招待され、来る7月30日に満を持して劇場公開となる『ケンとカズ』!!ここではカズ役を演じられた毎熊克哉さんにインタビューさせていただきました。是非、お楽しみくださいませ!!
『ケンとカズ』
毎熊克哉さん(カズ役)へのインタビュー
―早速ですが、予告編拝見致しました。疾風怒濤のような激しい演技に心揺さぶられました。本編を拝見するのが本当に楽しみです!!まずは、毎熊さんが本作の主演に決定した経緯を教えてください。
僕は短編版『ケンとカズ』から、カズ役をやらせてもらっています。長編の初稿が出来上がり、ひとまず監督と短編のケンとカズの3人で集まってシーンのリハーサルを行いました。その後、小路監督から「このままでは長編は撮れない」と言われました。長編版ではキャラクター設定が全く違う事と、監督が求める演技のレベルが高くなっていたためでした。ケン役の彼がアメリカを拠点にしていたので長期の撮影が難しいというのも大きな理由の一つでした。
それから全キャストのオーディションをすることになりました。僕はそのオーディションに適した俳優を呼んだり、読み合わせを手伝ったりしながら、自身のカズ役の審査も兼ねていました。ケン役のオーディション初日にカトウシンスケさんが現れ、ケンとカズのシーンをやりました。その日のうちにケン役はほぼ確定しました。それからも他キャストのオーディションが続き、僕は手伝っていました。全てのオーディションが終了した時に、さらっと「じゃあカズ役で」と言われました。小路紘史という監督は、とてつもなくドSなのです。
―本作での役作りや演技アプローチの仕方はどのようなものでしたか?
カズ役に関しては、まず外側から作るイメージでした。劇中でカズは常に危ない緊張感を発している事が求められていたので、髪型もパンチパーマに近いスタイルにしました。日常ではずっとイライラした状態を保つ訓練をし、人を殴るわけにはいかないので自分の使っている枕を殴っていました。ただひたすら殴り、殴れば殴るほど気持ちは高ぶり、拳は痛み、虚しい気持ちに辿りつきました。
カズのルーツでもある"虐待"をされる人間の気持ち、虐待をする人間の気持ちを考えました。それを繰り返すうちに、役作りが内側へ入ってきました。ケンとカズのシーンに関しては、劇中には描かれないシーンのエチュード(即興)を繰り返しました。二人が出会うシーンや、仕事終わりに風俗に誘うシーンなど…。笑ってしまうような内容のシーンもやりましたが、これが大きなバックボーン作りになったと思います。
ー質問が重なる部分もあるのですが、麻薬取引を扱った映画ということで、もちろん未知の世界だったと思うのですが、その世界のリアルを体現していく難しさのようなものはありましたか?
もちろん薬物はやったこともないし見たこともなかったので想像の世界です。役作りで覚醒剤やりますってわけにもいかないので、その世界を知ってる人の話を聞いたり、とにかく調べました。小路監督がリアルと"映画的な嘘"をうまいことブレンドしたなと思います。小路監督の自宅の本棚には薬物関係の書物がたくさんありました。
ー現場でこれはきつかった、大変だった。楽しかった。というエピソードがあれば教えてください。
撮影初日は、サキとカズのとてもヘビーなシーンから始まったのですが、サキ役の(飯島)珠奈さんとは現場入りしてから撮影が終わるまで、一言も交わさずに睨み合っていました。現場ではそうしようと打ち合わせたわけではなかったのですが、お互いに自然とそういう空気を作っていました。撮影が終わり「次は楽しいシーンで共演しましょう」と握手しました。
ーインディペンデント映画界、日本映画界の現状についてどう思われていますか?今後の課題などあれば教えてください。
僕はいち俳優部として、自分の演技や人間性を磨くのみです。自分が関わる作品にすべてを注ぎ込む。インディペンデント作品でも、商業作品でも。その作品達が世界に恥じない誇れるものになればいいなと思います。
ー毎熊さんが最も影響を受けた映画人、映画作品を教えてください。
3歳で『E.T』を観て映画を好きになり、5歳で『ターミネーター2』を観て映画を作りたいと思うようになりました。一番回数観た映画です。
ー最近見て面白かった映画を教えてください。
衝撃的に面白かったのは『インターステラー』『セッション』『バードマン』
ー最後に本作をご覧になる皆様に一言お願いします。
「お前ら誰?」ってなるような無名の新人達がそろって表に出てくる瞬間です。
目撃してください。
笑ってください。
冷やかしてください。
泣いてください。
楽しんでください。
この映画を観に来て下さる皆様が、ある意味で、僕たちにとって最初の"お客様"です。
お待ちしております。
◆プロフィール
毎熊克哉(まいぐまかつや) ・カズ役
1987年3月28日生まれ。広島県出身。
東京フィルムセンター映画・俳優専門学校の映画監督科コースを卒業後、俳優活動を始める。主に演出家ヨリコジュンのもとで芝居を学ぶ。舞台「TIC-TAC」で初舞台初主演を経験し、その後も舞台「ANARCHIST」で主演を務める。商業作品に参加する傍ら、自身の仲間と自主製作団体Engawa Films Projectを結成し、多数の短編映画を製作。『VOEL』(11)は、ショートショートフィルムフェスティバルにて上映される。小路紘史監督とは専門学校在学中からの友人で、多くの短編作品を共に製作しており、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2011で奨励賞受賞の短編版『ケンとカズ』でもカズ役で出演。
Twitterアカウント
毎熊克哉 @Kmaiguma
『ケンとカズ』公式HP
www.ken-kazu.com/
予告編
https://www.youtube.com/watch?v=6myTSKfZYxg
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